空色
駅で電車を待っていると向かい側に
実咲ちゃんが立っていた
私は気づかないフリをしたかったけど
そんな事できないよ…
「和人…」
「なに?」
私は向かい側のホームを指差すと
和人も実咲ちゃんの存在に気付いたのか
またほっぺたがほんのり赤くなった
「み、実咲ちゃんがどうしたんだよ」
動揺しちゃって…分かりやすいんだから
「話掛けてきたらいいじゃん」
「そんな事できねぇし」
「いいから!行きなよ、チャンスは今しかないかもよ?」
「えっ、でも優奈は?」
「私は1人で帰るから、ねっ?行ってきなよ」
「分かった…頑張ってみるわ!」
「うん!」
和人は急いで実咲ちゃんがいるホームへ
向かった
「はぁ、私何してんだろ…」
向かいのホームを見ると頑張って実咲ちゃんに話し掛けてる和人がいた
あんな和人見たことない…
好きな人の応援するなんて私ってバカすぎるよね
なんか涙も出てこないや
1人電車に揺られていつも遅く感じるこの時間がもっと遅く感じた…
今ごろ楽しく話してるんだろうな
いつもと違う帰り道に違和感を感じながら1人とぼとぼと家に帰った