空色

屋上に着くとフェンスのそばで
崩れるように座った

「ヒックッヒックッ…」

トントントンキィー…

誰かの足音が聞こえてきた
私は多分裕一君だと思ってたら

「ごめん優奈」

聞こえてきた声は私の好きな人の声だった、後ろから暖かい温もりに包まれた

「ごめん…」

「ううん」

和人は抱きしめる力を強めた

「私、裕一君との事考えてみる」

思ってもいない事を言ってしまった…

「えっ!?」

「だって付き合ったらって言ったのは和人だよ?」

「でも、優奈好きな人いるじゃん」

「うん、いたよ…
でも今は諦めたのその人のこと」

和人は悲しそうな顔をした

「どうしてそんな顔するの?」

「いや、よく考えたら優奈と裕一が付き合うのなんか嫌だなって思って…」

「なにそれー」

私はクスクス笑った

「あん時の俺は変だったんだよ
だからやっぱ忘れて」

「分かった」 

なぜ和人が私と裕一が付き合うの嫌って言ったのか分からない

だけどちょっと嬉しかった


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