空色



知らない男の子が立っていた


「大丈夫っすか?」

「えっ?」

その男の子は私よりちょっと大きいぐらいで男子にしては小さい身長だった

1年生かな?


「あなた誰?」

「あぁ、俺は1年の滝沢圭っす」

「やっぱり1年生だ」

「てか、泣いてます?」

「な、泣いてないよこれは雨のせい」

滝沢君は親指で私の涙を拭った

「嘘付くの下手っすね」

「そんな事ないよ!」

「ははっ、ムキになりすぎですって」

私は恥ずかしくなって下を向いた
そしたら滝沢君が頭にタオルをかけた

「風邪引くっすよ」

「ありがとう…」

「じゃあ俺、傘はいらないんで使ってください」

「そんなの悪いって」

「これは俺の勝手ですんで
てか、風邪引いてもらっちゃ困るんで」

「私だって滝沢君が風邪引いたら困るよ」

「俺は男だから大丈夫っす
じゃあまた」

「えっ!ちょっと」

彼は走り去っていた


「はぁー…ふふっ、まぁいっか」

なぜかさっきまでの嫌な記憶がスッと
消えていった


あの男の子のおかげかな?



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