花の園のお姫様
「ふーん。お前、転校生?」
「そ、そうだ。」
彼はまたふーんと言って
私を下からじっくりと眺めた。
「な、なんだよ!」
「お前、名前は?」
「さ、西園寺 優だ」
「お前さっきからどもりすぎ(笑)」
彼はあははと笑って親指で自分の胸をとんっと指す。
「俺、壱村 楓〈イチムラ カエデ〉、
この学校の二年だ。」
壱村君は私に手を差し出す。
「よろしくな!」
ニカッと白い歯を出して笑う顔がかっこよくて思わすドキッとしてしまう。
「おう」
私はゆっくりと手を差し出して壱村君の手を握った。
男の子の手って、凄く大きくてゴツゴツしてるんだなぁ...
私は握手された手をじっと見つめていた。