花の園のお姫様
「ほ、ほら、手ぇ離せよ。
理事長室まで連れてってやるから。」
「ほんとですか!?
ありがとうございます!
凄く助かります!」
私はぱっと顔を上げて壱村君に笑いかけた。
すると壱村くんは驚いたように目を見開いた。
「あのー...
ダイジョブですか?」
片手で口元を抑えて、私から目を逸らしながら顔を真っ赤にしている彼の顔を覗き込む。
「おーいっ」
私は彼の顔の前で両手をブンブンとふってみた。
すると壱村君ははっとして、
「お前のせいだからな!」
といってスタスタと歩き出してしまった。
「ええっ!?
俺のせいですか!?」
私は慌てて彼の後を追った。