花の園のお姫様
「君、女の子みたいな声出すんだね(笑)
あ、僕は君の担任の橘 春登〈タチバナ ハルト〉
歴史の教師だよ
それと、君の同居人。
理事長から話は聞いているよ。
今日は色々教えるためにここで君を待ってたんだ。」
「はぁ....」
話は聞いている、と言われて一瞬驚いたけど
女の子“みたい”と言っていたから私の正体とかは知らないのだろう。
橘先生は黒に近いこげ茶色の髪をしていて
鼻も高く、目も優しい感じで知的な顔をしていた。
とても整った顔で、男子校なんかで教師やってんの勿体無いなと思いながら見つめていると
橘先生は目を細めてくすっと笑った。
私は見とれていた事に気づいて慌てて頭を下げる。
「あ、西園寺 柚姫です!
これから色々迷惑かけちゃうと思いますが、よろしくおねがいいたします!」
「可愛いなぁ、君は。
本当に男の子かい?
この学園はバイとかホモさんとか結構いるから気を付けた方がいいよ?
美形は襲われやすいからね。
...あ、僕やここの住人はそんな趣味はもって無いから安心してね!」
橘先生は私が怯えた顔をしたのに気付いたのか、慌てて付け足した。