花の園のお姫様
「わぁ...」
鏡に写っている自分は本当に男の子のようで思わず感嘆の声を出してしまった。
「ねぇ美樹さん!凄いよ!
ほんとに男の子のみたい!」
「ふふっ 喜んで頂けたなら光栄ですわ♪」
美樹さんは嬉しそうに目を細めた。
「うん!なんか前の自分が思いだせないぐらい!」
私は短くなった自分の髪をいじりながらうきうきと言う。
「...前の...自分?」
「そ、髪切る前のおしとやか?な感じの私!」
「あぁ...」
美樹さんははた、と動きを止めたかと思うと、ゴソゴソと大きなスケッチブックぐらいの大きさのパネルを出してきた。
「ほら、ここに、ちゃーんと前の貴方様の写真が♡」
にっこりと笑う美樹さんが持っているパネルには、大きく引き伸ばした中学三年生の頃の私の写真がはられていて私は思わず吹き出す。
「!?
ゲホッ ゴホッ....!!
な...なんてもん持ってんですか...!」
美樹さんは、あらあらなんていいながら私の背中をさすってくる。