花の園のお姫様







「お前...どこから上がり込んだ?
ここは教員寮だ。
...知ってるよな?」



金髪長身男は私を見ながら目を白黒させる。


そして自分の頭をボリボリとかいて



「お前あんまり見ない顔だが、新入生か?
学生寮はここじゃない。
今日は新しくこの教員寮に入ってくる奴を歓迎するんだ。
決まりみたいなもんだから、お前みたいな生徒はいれらんないんだよ。
だからさっさと学生寮の方に行け。
わかんなかったら連れてってやるから。」



そう一気に言うと、
私をグイグイ押してリビングから出そうとする。



「え、え、どういうこと?!」



私は戸惑って橘先生に助けを求める。



「あー...。

ちょっと待って隼人。」



橘先生が隼人と呼ばれる金髪長身男を呼び止める。



「はぁ?
早くコイツを返さなきゃ会ができないだろ!」



「違うんだ...」




橘先生が笑いながら眉をひそめる。



「この子なんだよ。」



橘先生はふぅ、とゆっくりと息を吐いた。






「このこが新しい同居人。」







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