花の園のお姫様
「え...」
私は驚いて口を開けたまま固まる。
「クスっ...
図星...みたいだな。
お前俺のこと騙せると思っ「ちがう!!」
私は咄嗟に声を荒らげた。
「俺は男だ!!
お前の方こそカンチガイすんな!!」
できる限り威嚇したつもりだった。
でも黒縁メガネは、ゾッとするような笑みを口元にたたえて私にゆっくりと近付いてくる。
「へぇー...。
強情なんだな。いいの?
....力尽くで証明しちゃっても。」
「っおい愁!」
黒縁メガネの後ろで橘先生の声がした。
私の背中がひんやりとした物にぶつかる。
...壁だ。
無意識に後ずさっていたらしい。