花の園のお姫様
男は私の顔の横に両手をつく。
逃げ場はない。
私はソイツをキッと睨みつける。
「ここは男子校。
お前なんかがくる場所じゃない。」
目の前には私より全然背の高い男の人。
目は笑っていなかった。
「っ.....ち、違う
俺はっ...!」
顔が急に近づいてきたかと思うと、
耳に吐息が掛かる。
「ちょっと、お前、離れろよっっ!!」
黒縁メガネの胸板を強く押す。
でも、
びくともしなかった。
「ほんとに...いいの?
男なら押し退けるぐらい
簡単に出来るでしょ?」
耳元でゆっくりと話し、
クスリと笑う。