花の園のお姫様
「わかったよ。もう止めてやれ。
泣いてるぞ。」
「泣いてなんか....ない、です!」
私は自分の頬が濡れている事を認めたくなかった。
余りにも呆気なくばれてしまった。
こんな筈じゃなかったんだ。
いつだって私は上手くいかない。
兄さんのようになれないんだ。
「...ごめん
優ちゃん。」
橘先生が私の頭に手を置く。
「...え...?」
「俺は...知ってたんだ。
理事長から聞いていたんだ。
君が女の子だってことを。」
「それは..「どういうことだ?」
私を遮って口を開いたのは金髪長身男だった。
「担任として、一応知っておくべきだったそうだ。
もし彼女に何かあったら助けてほしいと言われたんだ。
...ごめんね?
君にもプライドがあるだろうし、
知ってるって言いたくなかったんだけどね...」