花の園のお姫様
ふと気が付くと部屋の中は暗かった。
顔を上げると自分の体に何かが掛かっていることに気づいた。
「毛布...
誰がかけてくれたんだろ...」
時計を見ると8時前だった。
また寝ちゃったのかぁ...
益々夜寝られないや。
私しかいないだだっ広いリビング。
今は9月。
8時はもう真っ暗で、
部屋のなかはほとんど見えなかった。
大きな窓の薄い白いカーテンが
外からの月の光をたっぷり染み込ませて白く輝いていた。
私はカーテンに歩み寄って少しだけその隙間から外を見る。
秋の空は雲ひとつ無く、
少しかけた月が眩しいくらいに光っていた。