花の園のお姫様
無意識に窓の鍵を開け
ゆっくりと開く。
ぼんやりとした頭で私は外を見つめた。
さわさわと湿った涼しい風が私の頬を撫でた。
そのまま私は足元に置いてあった男性用の大きなサンダルを履いて庭に出た。
庭は想像以上に広く、
月明かりに照らされた
沢山の美しい花々が植わっていた。
細い道を歩いていくと、小さな白い門が見えて
その後ろには薔薇のアーチ型のトンネルがあった。
一瞬、その向こうで何かが動いたように見えた。
さぁっと風が吹き抜ける。
私はゴクリとつばを飲み込んだ。
もしかしたら見間違いかも知れない。
入っちゃいけないのかな...
このトンネルの向こうを見てみたい。