花の園のお姫様
「西園寺」
先生が私を優しく呼んで
目の前に屈んだ。
私は近付いた彼の顔に手を伸ばして
目に掛かっている前髪をどかす。
「綺麗...」
先生の目は片方が薄い茶色で、もう片方は美しい碧色をしていた。
先生ははっとした顔をして、
慌てて私から顔を背けた。
「見るな...」
顔が背いててもわかる。
先生の顔が苦しそうに歪んだ。
「どうして...?
こんなに綺麗なのに...。
こんな綺麗な目、初めて見ました。」
「初めて...?」
「はい。」
「そうか...」