花の園のお姫様








「西園寺」



先生が私を優しく呼んで


目の前に屈んだ。





私は近付いた彼の顔に手を伸ばして


目に掛かっている前髪をどかす。




「綺麗...」




先生の目は片方が薄い茶色で、もう片方は美しい碧色をしていた。




先生ははっとした顔をして、
慌てて私から顔を背けた。




「見るな...」



顔が背いててもわかる。


先生の顔が苦しそうに歪んだ。



「どうして...?


こんなに綺麗なのに...。


こんな綺麗な目、初めて見ました。」





「初めて...?」



「はい。」



「そうか...」







< 47 / 52 >

この作品をシェア

pagetop