花の園のお姫様






寮に入るとバンッと音を立てて自分の部屋の扉を閉める。



心臓の鼓動が部屋に響いてしまうくらい速かった。



ドアを背に、
ズルズルと床へ座り込む。



私は自分に唇を手で触れる。




どうして...



あんなに怖かったのに、



あんなに私を虐めたのに、



なんでこんなに優しいキスをしたんだろう。



なんであんな切ない顔をしたんだろう。




分からないよ...




私が一人でうなだれていると急に私の部屋のドアが開いた。



「おい!西園寺!」


「うわぁっ!」



私はドアに持たれるようにしゃがんでいたので、押されるようにして前に倒れる。



「おい!お前、この家はお前だけのじゃないんだからもっと静かに...

ってお前、何でこんなとこで寝てんだ?

風邪引くぞ。」



「いったぁ...」



私は倒れた拍子にオデコをぶつけてジンジンするオデコを擦りながら起き上がる。










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