花の園のお姫様
私の兄
私は西園寺 優。
世に名高い西園寺グループの長女だ。
西園寺グループとは食べ物から服までありとあらゆる物を手がけている大手の大企業だ。
私には四歳離れた兄がいた。
名前は西園寺 晶。
私の自慢の兄だった。
運動神経抜群でかけっこでは毎回一等賞だった。
勉強と読書が好きで、まだ小学生なのに時間があれば難しい本を借りてきては自分の部屋で読みあさっていた。
誰にでも優しくて、
皆から好かれていて、
先生達からはいつも褒められていた。
私の父はいつも仕事であまり帰ってこなかった。
幼稚園のおむかえも、
食事の時も、
誕生日のお祝いだって、
毎回使用人達とやっていた。
だから私と兄は、ずーっと一緒にいた。
お互いが唯一の家族みたいで、
離れるのが怖かったんだ。
兄は小学校にあがって、ますます勉強好きになった。
優等生で人気のある兄は、私の憧れだった。