花の園のお姫様
次の瞬間
ドンッ
という音と共に、
体に鋭い痛みが走った。
あぁ、死ぬんだ、
と思った。
地面に体がたたきつけられる。
でも、地面は硬くなく、暖かかった。
ガンガンする頭をもたげ、私は自分の体の下敷きになっている物を見る。
信じられなかった。
目を閉じて血だらけになったひとが倒れていた。
紛れもなく、
兄だった。
私は軋む体を起こして真っ赤な水溜りの中に膝をついた。
理解できなかった。
私の前で眠るように目を閉じている兄。
その横には怯えた顔をする小さな女の子と、
真っ赤に染まったくまのぬいぐるみがあった。
私のせいだ。
私が兄さんを殺したんだ。
私が飛び出さなければ、
私がもう少し足が早ければ...
“お前が殺した。”
父の声が私の脳を駆け巡る。
“お前のせいだ。”
いやだ、
いやだ、
「いやぁぁぁぁぁああ!!!!」
私は意識はプツリと切れた。