恋心
「ごめん…。ありがと…」
顔を真っ赤にしてお礼を言った。

会いたいって思えば、会えるんだね。

「お前、顔真っ赤だし。」
「え!?」
この前のように、田中君はからかう。

「お前ウケる。」
田中君は、フッと笑って、言った。

「つかさー、お前あのままついていってたらどうなってたか分かってんの??」


田中君はバカにしたような、怒ったような口調でいった。



「分かってるしっ!!ただ、考え事してたの!!」

「お前も超のんきなやつだな。だけど気を付けろよ!!」


何だかんだいって心配してくれてんじゃん。

「うん。でもさ、何で助けてくれたの??」

「あーたまたま通りかかったら、なんか男につれてかれてるお前がいたからさ。助けってやったって訳。」

「そうなんだ。助けてくれてありがとね!!」

「おう!!さっきは人の女って言って悪かったな。」

「全然!!気にしてないし!」


でも気にしてないなんて嘘。
好きな人に、たとえ言わざるを得なかったとしても

そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいこと。
気にしない訳がない。

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