恋心
「お前の席はあそこだ!」
そういって先生が私の隣の席を指差した。
「やったラッキー一番後ろの席じゃん」
彼は席についた。
「これからは遅刻するんじゃないぞ!」
「は〜〜い!」
先生の声に、わざとらしく右手をあげて返事している。


そして話は再開した。

私は先生の話なんか聞かずにぼーっとしてた。


「あれっ??山村じゃね??」
「え!?」
えっ!?なんで私の名前知ってるの??
しばらくの間沈黙……
「もしかして覚えてねーの?中1んとき同じクラスだったじゃん」
中1のとき……
あっっ!!
田中駿!!
あの頃もかっこよかったっけな
でも全然接点なかったから話すこともなかったんだよなあ
「思いだした??」

「うん…」

「でも忘れてもしょうがないよな〜話したことあんまなかったし」

でもこの人覚えててくれたんだね

自分が恥ずかしい…

「じゃあ〜忘れてた罰として、俺にアド教えて!!」
いきなりっっ!?
しかも忘れてもしょうがないよなって言ってくれたじゃん!
「ケータイ持ってないの!?」
「いや持ってないこともない…」
つい意味の分かんない返事をしてしまう。
「じゃあ教えて!」
忘れてたあたしが悪いのか……
渋々アドを教えた。
でも嬉しい気持ちもあったりして……


「ありがとな!」
私にわらいかける彼に少しドキッとした。
「うん!」
私もわらいかけ、
また一人でぼーっとしてた。
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