貴女に惚れた千の理由

「あっ…！！！」

やばいっ！！
僕はこんなところで
何をしてるんだ！！！
今日は大切な…


そう思い急いで立ち上がった
瞬間足元がふらついて
その場でこけた。

大丈夫ですか？
まだ気分はお悪いようで…
と、彼女はまた
声をかけてくれるのだが…

男にとっては女の子の前で
こけるなんて相当恥ずかしい。


頼むから僕を見ないで
くれぇ〜っっ！！！


そう心の中で叫ぶと彼女は
ハンカチを差し延べてきた。

「へっ…？」

「血、出てますよ。」

と、微かに痛む膝を見てみると
お気に入りのジーンズが
破れてるのは目をつむるとして…

案の定、膝が擦りむけていた。


まぁ僕にとってはそんな
たいしたことない傷だったが
彼女はその傷が
相当痛そうに見えたのか
自分が怪我した如く痛そうな
顔で僕を見つめる。