うさぎの涙、
「新入生の入場です。」
音楽と共に入場、
正直言って面倒くさい、
「ニ中かあ~、じゃあさ、
"園部 建(そのべ けん)"
って居たでしょ!?」
コショコショと美空が話し掛けて来た。
「あ~、一回もクラス一緒になったことないから関わりないけど、居たよ。」
「やっぱり!!」
美空はキラキラと目を輝かせて言った。
「何?知り合いなの?」
「うんっ!小学校一緒だったんだ~。」
「そうなんだ!
そういえば同じ柳高だよ、園部くんも!
どっかにいると思うけど―。」
「う……うそお!!??」
体育館中に響き渡ったその声に、全ての人の視線が私達に向けられた。
「元気があるのは良い事ですが、少し状況というものを考えましょうね。」
優しく校長が言った。
「す、すみませ~ん。」
小さな声でそう言うと、美空はあちゃ~といった顔で私を見た
「ふふっ、何やってんの―。」
自然と周りも緊張がほぐれ笑顔が出ていた。