ほんとは優しい私のオオカミ ①
第一章

出会い

「はぁっ…はぁっ!…」





少女は暗闇のなか1人あてもなく息をきらしながら逃げていた。





「いたぞっ!!」

「捕まえろっ!!」

「まてや、こらぁ!!」





後ろからは数十人の男達が、声を荒げながら追ってくる。





少女は必死になって逃げる。





夜の街中、かぞえきれないほどの角をまがり

細い道を走り

真っ暗な路地裏を抜けると

やっと男達を振り切ることができた。






すこしホッとした少女はその場に膝をつき乱れた呼吸を整え




壁に寄りかかった。




逃げてるうちに、いろんなところを怪我したらしい。





痛い。






特にひどいのは、足とひじの怪我…






派手に切ったのか、血がボタボタたれている。


それを抑えているとボーッとしてきた。




…こんな時に貧血




そして、意識を失った。
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