ほんとは優しい私のオオカミ ①



私が雪に気づくと蓮もそれに気づいたらしい。




蓮「雪…。」





蓮は辛そうな顔で雪を見つめる。





瑠奈「どうしてそんな悲しい顔をするの?」





心配で蓮の頬に触れるとぴくりと身体を揺らす。





蓮「…。」





無言で私の顔を見る蓮の瞳を私も見つめ返すとポツリポツリと蓮が話し始めた。





蓮「俺…捨てられたんだ。雪の日に。」




瑠奈「捨てられた…」




蓮「俺の母親は18で5歳年上の男と結婚し普通に暮らしていた…たぶんその頃は幸せだったと思う。でも、母が23のとき事件は起きた…見知らぬ外国人に強姦されたんだ。」





思いがけない言葉にドクドクと心臓が反応する。




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