ほんとは優しい私のオオカミ ①
あまりにも、泣き出しそうな蓮が心配で…でもなんて声をかけたらいいのかわからなくて私は蓮の手を握りしめた。
すると、安心したように蓮が表情を緩めた。
蓮「途中で意識を失って気づいたときは″愛の家″っていう孤児院にいた。だから、雪の日は少し苦手」
少しじゃないくせに。
その証拠に蓮の大きな手が微かに小さく震えている。
私は優しく蓮をギュッと抱きしめた。
瑠奈「雪の日は私が一緒にいてあげるから!嫌な思い出があるなら楽しい思い出で上書きしちゃおうよ!!」
自分でも、なんてバカげたことを言っているんだと後々後悔していると、
蓮がキョトンとした顔で見つめた後、ぷはっと吹き出した。
蓮「あはははっ!ふふふっ…もう瑠奈にはかなわないな!」
へっ?
ぷにっと蓮の長い指が私の頬をつまむ。
蓮「じゃ、覚悟しといてね。雪が降ったらずっと俺といてくれるんでしょ」
そしてチュッと頬にキスされた