ほんとは優しい私のオオカミ ①
第三章
記憶
遊園地から倉庫へと帰った私は空と別れるとさっそく翔の部屋へと向かった。
私の部屋というのは存在しなくてだいたいは翔の部屋で寝泊りしていて私もそれで満足していた。
階段を登ると声が聞こえてきた。
蓮の声だった。
蓮「…咲ちゃんのことまだ諦めついてなかったのかよ!…じゃあ、瑠奈はどーするんだよ!」
蓮が声を荒げているのを耳にし思わず柱に隠れる。
チラッとみると、話しているのは、翔と蓮と優也だった。
蓮が怒ったように声を荒げ、それを仲介するように優也がいる。翔は黙って蓮を見ていた。