ほんとは優しい私のオオカミ ①
仕方なく、俺は咲に会いに行った。
相変わらずわがままで、自分勝手な女だった。
咲は言った。
咲《私をまた、黒狼の姫にしてくれない?》
翔「は?自分が何言ってんのかわかってんのか?!」
咲「まぁまぁ、そんなに興奮しないでよ〜。まずは話を聞いて」
話を聞くと黒狼に不意打ちしてきた族は<藍染組(アイゼン)>とかいう組にボコボコにされたらしい。
咲《ほんと情けないわよねえ〜。だから、ここ一帯で1番強い黒狼の姫になりたいの》
自分が愛した男のことを軽々しく片付ける咲を軽蔑する。
翔「断る」
即決する俺に咲はニヤリと笑った。
咲《瑠奈ちゃん…ほっぺた跡残らなかった〜?》
!?
学校で瑠奈の頬が女共に叩かれたのを思い出す。
翔「あれ…お前が?…」
咲《そう。私がやらせたの〜!》
翔「ってめぇ!!」
咲《あら、いいの〜?瑠奈ちゃん嬉しそうに学校行ってたって聞いたんだけど…学校行けなくなったら可哀想ねぇ》
瑠奈のことを出されると俺にも手が出せなかった。
咲《…本気で好きなのね…妬けちゃうわ。じゃ、考えといて》
そして、咲は立ち去った。