ほんとは優しい私のオオカミ ①
瑠奈「…ゆ、優也?」
優也「僕が手伝ってあげます」
瑠奈「…でも、それじゃ。」
私が作ったって言えなく無い??
聞こうとする前にトントンとリズミカルに包丁を進めてく。
上手…。
包丁と一緒に私の手も握られているため、まるで自分で包丁を進めているようで面白い。
でも…
優也「おや?」
瑠奈「…ぐす…っ」
玉ねぎは相変わらず私の目を刺激する。
どうやら優也はメガネをしているからしみないらしい。
優也「…やっぱりその顔イイですね」
瑠奈「…うぅっ…」
優也って絶対Sだぁあ!
耳元で意地悪を言われると思ったとき玉ねぎ攻撃にやられた私の目からついに涙が落ちた。
瑠奈「あ…」
暖かい涙の感覚のあと、ぺろりと優也が涙を舐めとった。
瑠奈「ゆ、優也!?」
赤くなって抗議しようとする私をパッとあっさり手を離す優也。
優也「はい。玉ねぎ切り終わりました。後は瑠奈が僕のために作ってくださいね」
もうっ!
さっさとキッチンを出ていってしまい、私は赤い顔のまま1人で残されたのだった。