ほんとは優しい私のオオカミ ①
メンバーの人たちをすり抜けて、声のする方へ急ぐ。
瑠奈「翔ー!!」
やっと翔の頭が見えてきた。優也の声も聞こえる。
あ!いた!あそこだ!
優也「どうしているんですか!咲!!」
優也の声とほぼ同時に私の視界にその名の人物がうつった。
……咲。
翔の腕に親しげに絡みつく金髪の女の人。
高いヒールに濃いメイクの女の人は私を見つけるとニヤリと笑った。
翔・優也「瑠奈!!」
2人が私を見つけて名前を呼ぶ。
私はそのときどんな顔をしていたのだろうか。
えぇーーー…と。
状況が全然飲み込めない。
どうしていいのか突っ立っていると優也が私のことを引き寄せた。