ほんとは優しい私のオオカミ ①
瑠奈「…?」
翔が目の前にいるのに優也がこんなことするなんてはじめてだ。
咲「あらーー?いいじゃない〜!」
咲が予想通りの甘ったるい声で私に自己紹介した。
咲「はじめまして瑠奈…ちゃん?私は咲っていうの。翔の彼女よ…よろしくね」
その言葉を聞いてズキっと胸が痛んだ。
翔……。彼女いたんだ…。
それもそうだ。翔は彼女がいないなんて一言も言っていないのだから。
瑠奈「はじめまして。瑠奈と言います。」
それをさとされないように極めて明るい声と笑顔で補う。
咲「…瑠奈ちゃんすっごくいい子ねぇ。それにすっごく可愛いわ〜。」
ニヤニヤと笑う咲の笑顔にはどこか見下した感じがする。