ほんとは優しい私のオオカミ ①
瑠奈「話って何?」
龍我「んー。バルコニーに行っていい?」
龍我も目立つ存在のようでチラチラと女性達から視線を集めていた。
そんな視線を煩わしそうに感じたのかバルコニーにすすめられる。
少しだけなら大丈夫かな。
優也に歩かないように言われたもののバルコニーには歩かないといけない。
椅子から立ち上がると龍我がぽんと肩に手を置いた。
瑠奈「へ?」
龍我「何歩こうとしてんのさ〜。足痛いって言ってたじゃん」
そういうと急に視界が反転しあっという間に龍我に横抱きにされていた。
瑠奈「うわぁっ。ち、ちょっと、おろして」
龍我「だって、足痛いって言ってたしこっちのがめんどくさくないでしょ〜」
実に理由がわけわからない。
瑠奈「いいよ!重いし。」
龍我「女の子はみんなそういうんだよね〜。実際全然重くないし、女の子1人持てなかったらそいつは多分男じゃないね〜。」
間延びに答えられながらもどんどんバルコニーに進んでいく。
細い腕のどこにこんな力があるのだろう。