ほんとは優しい私のオオカミ ①
自由を得た龍我は翔から距離を取ると私に向かって笑いかける。
龍我「あとはごゆっくり。瑠奈ちゃんまた会おうね〜」
そしていつものニンマリ顔でバルコニーを出ていった。
翔とバルコニーで2人きりになったが翔は一言もなにも発さない。
瑠奈「し、翔…?」
名前をおそるおそる呼ぶ。
何週間ぶりに呼んだのだろうか。
久しぶりで声が少し震えた。
名前を呼ばれた翔はゆっくりこちらを見ると言った。
翔「今宵はマスカレード。俺は翔なんて、男じゃない。」
マスカレード…。