ほんとは優しい私のオオカミ ①
翔の体温がドレス越しに感じる。
本当に今、翔は私の目の前にいるんだ…。
夢ではないかという疑問さえも浮かぶほど甘い時間。
ワルツに身を任せていると、翔が静かに話し始めた。
翔「俺の話を少し聞いてくれないか。…お嬢さん」
瑠奈「はい。私でよろしければ」
お互いがお互いの名をわざと呼ばない。
翔「俺には好きな人がいる。」
咲さんのことだ…。
わかっていても、翔の口から聞くのは辛い。