ほんとは優しい私のオオカミ ①




翔の体温がドレス越しに感じる。






本当に今、翔は私の目の前にいるんだ…。







夢ではないかという疑問さえも浮かぶほど甘い時間。









ワルツに身を任せていると、翔が静かに話し始めた。








翔「俺の話を少し聞いてくれないか。…お嬢さん」






瑠奈「はい。私でよろしければ」







お互いがお互いの名をわざと呼ばない。







翔「俺には好きな人がいる。」






咲さんのことだ…。




わかっていても、翔の口から聞くのは辛い。








< 211 / 218 >

この作品をシェア

pagetop