ほんとは優しい私のオオカミ ①



「やぁ。黒狼君たち。」




一番前にいた赤い髪の毛の人が言った。




翔「よぉ。龍我(リュウガ)」




龍我と呼ばれた人は私に目を向けると、ふっと笑った。




龍我「ふーん。黒狼に新しい姫が出来たってメンバーから聞いてさ。興味本位に学校来てみたんだけど…ほんとだったんだねぇ。」




ひょうひょうと言いながら興味深くジロジロと見られる。




ふと思い出したように龍我はパチンと手を叩いた。




龍我「…あれぇ?でも、咲ちゃんはもういいの?」




咲…?誰だろ。



咲という名前を龍我が口にした途端その場が凍った。




翔「お前らには関係ない。そこどけ。」




私を龍我から見えないように背に隠しながら冷たい声で言う。



こんなに冷たい翔の声はじめて聞いた…





龍我「まぁ、いーや。それよりその子すごい可愛い…。いーな。俺らんとこも姫欲しいな。」




翔の表情がピクリと動く。




蓮「この子はあげられないから他あたってね~」



翔に代わって蓮が返事を返す。


< 66 / 218 >

この作品をシェア

pagetop