ほんとは優しい私のオオカミ ①
「やぁ。黒狼君たち。」
一番前にいた赤い髪の毛の人が言った。
翔「よぉ。龍我(リュウガ)」
龍我と呼ばれた人は私に目を向けると、ふっと笑った。
龍我「ふーん。黒狼に新しい姫が出来たってメンバーから聞いてさ。興味本位に学校来てみたんだけど…ほんとだったんだねぇ。」
ひょうひょうと言いながら興味深くジロジロと見られる。
ふと思い出したように龍我はパチンと手を叩いた。
龍我「…あれぇ?でも、咲ちゃんはもういいの?」
咲…?誰だろ。
咲という名前を龍我が口にした途端その場が凍った。
翔「お前らには関係ない。そこどけ。」
私を龍我から見えないように背に隠しながら冷たい声で言う。
こんなに冷たい翔の声はじめて聞いた…
龍我「まぁ、いーや。それよりその子すごい可愛い…。いーな。俺らんとこも姫欲しいな。」
翔の表情がピクリと動く。
蓮「この子はあげられないから他あたってね~」
翔に代わって蓮が返事を返す。