ほんとは優しい私のオオカミ ①
蓮は私の叩かれたほっぺたを見ると、冷たい声で言った。
蓮「君たち、なにしてんの?」
目線を私から女の子達に向ける。
「…れ、蓮が、この子ばっかり…構うから…。」
リーダー的女の子もいつもと打って変わって冷たい蓮に震える声で答えた。
蓮「…へぇ。」
無関心な声で返事をすると、私の手をとってトイレを出る。
「れ、蓮!!」
最後に勇気を振り絞って声をあげる女の子に蓮は振り返りもしないでトドメをさした。
蓮「俺の前から消え失せろ。」
小さくつぶやかれた声だったが、しんと静まった空気の中ではハッキリと聞こえその一言は女の子には充分すぎるほどだった。