ほんとは優しい私のオオカミ ①
あっ…。
そして、さらに私の口元に唇を近づけてペロっと舐める。
蓮「うん。美味しい…」
その行動に驚いてしまって、私はつい手の中のクレープを離してしまった。
べシャッ
クレープが洋服の足の上に落ちる。
瑠奈「あっ!」
すぐに、洗い落としたが今日の洋服は白でクレープのチョコレートソースが存在を主張しまくっていた。
あらら…。
そして、この真冬に水に触って寒い。
蓮「ごめん。驚かしちゃったね。」
私に蓮は申し訳なさそうに自分が着ていた上着を着せてくれる。
瑠奈「ううん。大丈夫。せっかくクレープ買ってくれたのにこっちこそごめんなさい。」
大丈夫と言ったものの、まだ、来たばかりでこれからどうしようと迷っていた。
蓮「瑠奈。こっち来て。」
手を引かれてどこかに連れていかれる。
蓮。私に呆れたかな?
何事にも外の世界に無知すぎる自分を恥じる。
連れていかれた先は、可愛い洋服店。
女の子しかいないそのお店に躊躇しないで蓮は入っていき、洋服を素早く数点選ぶと試着室に向かう。
蓮「これ着て。」
瑠奈「れ、蓮?」
戸惑う私に蓮は安心させるようにお得意のウインクをする。
しぶしぶ、蓮に言われたとおりに着替える。