ほんとは優しい私のオオカミ ①
洋服は黒い肩出しワンピースに、ファー付の藍色のコート。
センスがいいコーディネートにいつもと違った自分が鏡に写る。
瑠奈「き、着たよ。」
そろ~っとカーテンを開けると、わずかに目を見開いた後満面の笑みで蓮が「可愛い」と言ってくれた。
蓮「じゃ、これ買おっか!」
え!?
私が何か言う前に定員に言いに行ってしまう。
チラッと、ワンピースの裾からはみ出ているタグを見てみると¥25000と書かれている。
こ、これって高いんじゃ…。
サーと血の気が引く。
会計を済ませたらしい蓮がハサミで値札をチョキっときる。
私は小声で
瑠奈「蓮。このお洋服高いんじゃないの…私、こんな高いの貰えないよ。」
訴えると、蓮は意地悪そうな笑顔で「何にも聞こえませーーん」と行って私が着ていた洋服が入った袋を持って手を差し出した。
ん。もうっ!
ほんと、こーゆーとこ蓮ってかっこよくてズルい。
差し出された手をわざとぎゅっと握ると蓮もぎゅっと握り返してきて、2人で吹き出した。