はじまりオワリ。
『……はぁ。』
ため息をつく
9月の上旬。昼間は暖かいが夜は少し肌寒い
上に何か羽織ってこればよかったな
母は週に1度帰ってくるかこないか程度
どこでなにをしているのかなんて知らないし
知ろうとも思わない
帰ってこればいつもあの調子だ
父親が亡くなってから母は何もかも変わった
父の保険金で酒とホストに溺れ
ご飯を作ることも、働くこともしなくなった。
私のお父さんは溺れた私を助けに行って死んだ
だから母にとって私は
最愛の人を殺した『人殺し』
『あんたを産んでなければあの人は生きてたの…!!』
こんな言葉、耳にタコができるほど聞かされた。