ナツ恋。
日もだいぶ昇ってきてる。
きっと気温が上がってきたからだ。
シュウ…シュウかぁ。
心の中でその響きを唱えていると、特別な響きに思えてきた。
「ねぇ、私も…」
「うん?」
「私もナツって呼んでくれる?」
「ナツ?いいねそれ。わかったよ」
そう言ってシュウはホースを高く上げて水をまく。
私がするより遥かに遠くまで水が届いた。
頬に手を当てると、やっぱりその熱はまだ引いていなくて。
水に濡れた手が気持ちよかった。