ナツ恋。



「ねぇ、私も…」

「うん?」

「私もナツって呼んでくれる?」

「ナツ?いいねそれ。わかったよ」



彼女は俺をシュウと呼び、俺は彼女をナツと呼ぶ。



そう約束するとナツは眩しいくらいの笑顔になった。



ひまわりみたいだなと、俺は無意識にそう思った。



「ごはんよー!」



ナツと日野さんとで全ての作物に水をかけ終わった頃、奥さんの声が俺たちを呼ぶ。



俺は流れで朝ごはんをご馳走になることに。



こういうことは稀じゃない。



日野さん夫妻は昔から俺を孫のように可愛がってくれていたから、ごはんに誘われることもよくある。



本当に、優しくて温かい人たちなんだ。



< 19 / 47 >

この作品をシェア

pagetop