ナツ恋。
「ねぇ、私も…」
「うん?」
「私もナツって呼んでくれる?」
「ナツ?いいねそれ。わかったよ」
彼女は俺をシュウと呼び、俺は彼女をナツと呼ぶ。
そう約束するとナツは眩しいくらいの笑顔になった。
ひまわりみたいだなと、俺は無意識にそう思った。
「ごはんよー!」
ナツと日野さんとで全ての作物に水をかけ終わった頃、奥さんの声が俺たちを呼ぶ。
俺は流れで朝ごはんをご馳走になることに。
こういうことは稀じゃない。
日野さん夫妻は昔から俺を孫のように可愛がってくれていたから、ごはんに誘われることもよくある。
本当に、優しくて温かい人たちなんだ。