ナツ恋。
日野夫妻に笑顔で送り出され、俺たちは日が昇って暑くなりだした道を歩く。
そういえば、帽子とか必要なかっただろうか。
俺はいいけど、ナツは女の子だし…。
「ナツは日焼けとか気にする?今からでも戻って帽子とかとってくる?」
「ううん!せっかくこっちに来たんだもん、少しくらい日焼けしないとおもしろくないでしょ?」
「何それ、おもしろさ基準なの?」
「うん、退屈なのよりおもしろい方がいいよ」
なるほど。
なら、この地域はナツにとってつまらなくはないかな?
都会育ちだって聞いたしなぁ。
「あーっ!」
「わっ、何どうしたの」
「水車だ!すごい、初めて見たかも!!」
ナツは興奮して水車に駆け寄った。
ナツにとって、水車は珍しいものなんだね。