ナツ恋。
俺にとっては見慣れていて身近なものでも、ナツからしたら新鮮なものなんだ。
「この水車は小さいけど、米を多く作ってる所にはもっと大きな水車があるよ」
「ここにはないの?たくさんお米作ってるのに」
「あはは、ここの比じゃないくらい作ってる所だよ。もっとも、今じゃあまり残ってないかもしれないけどね」
「へー…いいなぁ見てみたい!」
水を引く水車を見つめながらナツは言った。
見てみたい…か。
一般的な女子高生が興味を引くようなものじゃないよね、水車って。
「ナツは変わってるね」
「そうかな?」
「変わってるよ、おもしろい」
「おもしろいの?なら良かった」
本当に、君は変わった子だね。