ナツ恋。
この子なら、この町のいいところを理解してくれるかもしれない。
「あっ雨蛙だ!」
「えっ?」
急に走り出して、近くの草むらの中に彼女は飛び込んだ。
「ほら見てシュウ!雨蛙だよっ可愛いでしょ」
「………」
「どうしたの?」
「ぷっ…くくっ…」
「え?何で笑ってるの??」
何でって………そりゃあ…。
「ナツは蛙を素手で触れるんだね」
「あ、うん!虫も大体は触れるよー」
「俺はナツを侮ってたよ。とんでもない子だね君は」
「あーー、蛙も虫も触れない女の子だと思った?残念、私そんなに女の子じゃないよ」
「なにそれ」
少なくとも、俺の知る限り女の子は蛙や虫の類が苦手だったりするんだけどな。
ナツは女の子にしとくのが少し勿体無いような気がした。