ナツ恋。



俺の一番のお気に入りスポットだったりする。



「俺、あの木の下にいるのが好きなんだ」

「涼しそうだね」

「涼しいよ、ついうたた寝するくらい」

「何かシュウ、お年寄りみたい」

「悪かったな」



それは心外だ。



これでも、ここ一帯では一番若い……



あぁ、いや…今はナツが一番若いんだね。



少なくとも、俺に朝からあんなに元気に走り回る気力はないかなー。



「シュウ、何考えてるの?」

「あぁ、いや。戻ろうか、送るよ」



いつもと違う賑やかな散歩は、いつもより複雑な心境で終わった。



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