ナツ恋。



といっても、かなり幼い頃のことだから…正直覚えてはいないけど。



それでも、茶道をすることに抵抗はなかったはずだ。



俺が小学4年生の頃、自分のしたいことがはっきりと出てきた頃だった。



『母さん、僕みんなとサッカーするから公園に行ってくるね』

『…何言っているの。これから茶道のお稽古だって言ったじゃない』

『でも…稽古の時間にはまだ早いよ、それに友達が』

『いいから、早く着物に着替えなさい!!』



母は、俺を茶道で縛った。



友達と遊びたくても遊べなかったし、いくら体調が優れない時でも俺に茶道をやらせた。



同い年の子たちは、みんな外で遊んでいるのに。



何でなんだって、どうして僕だけって。



それからかな、茶道に嫌気がさしてきたのは。



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