君の匂い
「俺の気持ちも、分からないでよく言えるな……」


そう言って、優しく抱きしめてくる。



「なんか…久しぶりの温もりだなぁ」


ここ最近、ずっと話をしてなかったもんなぁ。



「やっぱり、やよには敵わないわ」
「え…?な………んっ」


言葉を言う前に、口を塞がれる。



「やめてよ、誰にでもキスする人なんて嫌いなん……んふっ」


また、キスをされるー…。



「俺は、弥生としかキスしたくない」


けど、してたじゃん!!!



「せっかく…弥生を忘れようとしてたのに」


頭を、ポリポリ掻いている。



「……スキなんだよ」



照れ臭そうに榊くんは顔を真っ赤にして言う。



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