嫌われたがりと天邪鬼 完
 君が怒りを覚えれば覚えるほど、不愉快を感じれば感じるほどに、僕はどうしようもなく嬉しくなる。それでも尚、美由紀は僕から離れないんだと思えるからだ。歪んでいる自覚はあるよ、どうしようもない。ごめんねと口先ばかりの謝罪を入れる気だって毛頭なくて。

 ねえ美由紀、こんな悪人の僕と一緒にいてくれるなら、ずっと離れないでいてくれるなら、君もどうか、悪い人のままでいて欲しい。
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