兄妹のお話

魔女のお城はどこにあるの?
お前は今どこにいるの?
ここは高い山のふもと
お前の姿は見えないんだよ

すると、緑色の宝石の光が一筋の光となりました。

光が示す 古いお城
竜の部屋に 私はいるよ

ルキは光の指す方向へ歩いていきました。夜になるころにはお城に着きました。ルキは慎重に気配を殺して中へ忍び込みました。が、すぐに黄金色の髪と目をした美しい男に見つかってしまいました。
「姫を攫いに来たのかい?」
「いえ、妹を助けに来ました」
 へえ、と笑って男はルキを案内してくれました。男が案内してくれた部屋に入ると、夜のように黒いドレスをまとった女の子が一人眠っていました。それは鏡の中にいた女の子でした。ルキが女の子に近づこうとすると、背後で突然恐ろしい鳴き声が聞こえました。ふりかえると、そこには金色の目の竜がいました。そしてその隣には黒い服の魔女が立っていました。
「アンジェレッタ、この男を呼んだのはお前かい?」
 魔女が問いかけると、眠っていた女の子は目を覚ましました。
「ええそうよ、おかあさま。彼は私のお兄ちゃん、ルキーノよ」
 魔女は驚いて、ルキに襲いかかりました。彼がとっさに手鏡で魔女を殴ると、鏡が割れ、破片が魔女に突き刺さりました。すると、鏡の光を浴びた魔女はみるみる縮んでしまいました。ルキはすかさず縮んだ魔女を掴み、黄金の竜へ向かって投げました。竜は口の中に飛びこんできた魔女をそのまま食べてしまいました。
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