学校一のモテ男といきなり同居
「郁実、お前こそ。初日はサボるっつってたじゃん」


「俺?その予定だったけどな。ちょっと色々あって来ることに」


「なんだよ色々って。女か?」


「ちげ~よ」


いつの間にか井上くんは列に合流して、あたしの後ろを歩いている。


ふたりの会話を、なんだかずっと聞いてしまう。







こんなに近くで井上くんの声聞くことなかったけど、


こういう声してたんだ。


少し低めの、よく通る声。


一度聞くと忘れられないような、わりと特徴のある声をしていた。


聞いてるとなんだか心地いい。


顔も甘いのに、声も甘いんだね。


なんてことを考えていると…。


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