学校一のモテ男といきなり同居
「おい」


……井上くんの声が聞こえる。


友達を呼ぶのに『おい』って、誰を呼んでるのかわかんないよね。


それこそ色んな女の子が振り向きそう…。


「おい、お前だ、お前」


「……えっ、あたし!?」






突然後ろから肩を掴まれ、あたしは飛びあがりそうになった。


慌てて振り向くと、井上くんが怪訝そうな顔であたしを見ている。


「え……あたし、なにかした!?」


「カギ、落としてる」


カギ?


井上くんが指す方向に、赤いリボンのついた小さなカギが落ちていた。


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