学校一のモテ男といきなり同居
泣き顔を見せるのが嫌で、あたしは布団に顔を埋めた。



しばらくグズグズ泣いていると、井上くんが部屋を出ていくのがわかった。



……慰めの言葉さえ、かけれないってこと?



ホント、最悪なヤツ。



そう思いながらも、どんな言葉をかけられたって、



この傷は癒えないよ。








顔を上げ、ベッドからおりようとして驚いた。



井上くんが服を着替えていたから。



「……あれっ……どうして着替えたの?」



部屋を出ていったと思ったけど、クローゼットの扉を開けた音だったみたいで。



さっきまで着ていた部屋着を脱ぎ、黒のシャツとカーキのパンツ姿になっていた。



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